2025年9月24日、日本のパンクロックシーンを代表するバンドHi-STANDARD(ハイスタンダード)が、ついに新ドラマーを正式発表しました。
新メンバーとして迎え入れられたのは、The BONEZのZAX(ザックス)。
恒岡章さんが急逝してから約2年半、ファンが待ち望んだニュースです。
ここでは、ドラムが空席だった理由からZAX加入に至るまでの経緯、バンドのコメント、今後の活動までを詳しく振り返ります。
Hi-STANDARDとは
1991年結成のHi-STANDARDは、メロディックパンクを日本に浸透させた先駆的存在です。1999年発売のアルバム『MAKING THE ROAD』はインディーズとして異例のミリオンセラーを記録し、海外フェス出演やワールドツアーも成功。
メンバーは難波章浩(Vo/Ba)、横山健(Gt/Vo)、そして長年ドラムを支えてきた恒岡章の3人。圧倒的な演奏力とメロディアスな楽曲で、世代を超えて愛されてきました。
ドラムが空席となった理由
2023年2月14日、ドラマー恒岡章さんが急逝。享年51歳。
突然の訃報はファンはもちろん、メンバーにとっても大きな衝撃でした。
横山健さんはSNSで「彼がいなければHi-STANDARDは存在しなかった」と語り、難波章浩も「ツネ(恒岡)は家族だった」と悲痛なコメントを発表。
バンドとしても「これで終わりなのか」という葛藤を抱えながら、活動は事実上停止状態となりました。
慎重に進められた新ドラマー探し
恒岡さんの後を継ぐドラマー探しは、すぐには始まりませんでした。
横山さんは後のインタビューで「ツネを追い求めてしまい、誰を見ても比較してしまった」と明かしています。
2023年後半から少しずつ候補者とのセッションやオーディションが行われたものの、「Hi-STANDARDの音」を共に作れる人材を見つけるのは容易ではありません。
「誰でもいいから代役を入れる」という考えは一切なく、技術だけでなく人間的な信頼関係も重視されたと言います。
ZAXとの出会いとNOFXラストツアー
転機は2024年。
米国の伝説的パンクバンドNOFXのラストツアーにHi-STANDARDが出演した際、サポートドラマーとして参加したのがZAXでした。
ZAXはTHE BONEZやPay money To my Painで活躍してきた実力派。
このツアーで横山・難波両氏と長時間過ごすうちに音楽面はもちろん、人間的な信頼も深まり、バンドは「彼となら再び3人で前に進める」と確信したといいます。
難波さんは「つらい時期に寄り添ってくれた」と語り、ZAXの存在が精神的な支えになったことを明かしています。
2025年9月24日、正式発表
そして2025年9月24日夜、PIZZA OF DEATHの公式YouTubeチャンネルで生配信された特別番組にて、ZAX正式加入が発表されました。
横山健さんは「俺たちはドラムを見つけた」と力強く紹介し、難波章浩さんも「新しいHi-STANDARDを一緒に作っていく」とコメント。
ZAXさん本人は「一生懸命たたかせてもらいます。Hi-STANDARDをさらに盛り上げたい」と決意を語りました。
発表直後からSNSには「待ってた!」「泣ける」「新章スタートだ」と祝福の声があふれ、X(旧Twitter)では関連ワードがトレンド入りするほどの反響でした。
今後の活動予定
発表と同時に、11月に新ミニアルバムをリリースすることも告知されました。
タイトルや収録曲は後日発表予定ですが、ZAX加入後初の作品として注目が集まります。
さらに年末からは全国ツアーも計画中とのことで、3人体制でのライブが早くも期待されています。
まとめ
恒岡章さんの逝去という悲しみを経て、約2年半の沈黙を破ったHi-STANDARD。
新ドラマーZAXを迎え、再び3人で動き出した姿は、バンドが音楽とファンへの愛を貫き続けてきた証です。
横山健さんは発表の最後に「これからも俺たちは走り続ける」と語りました。
ツネへの敬意を胸に、新たな歴史を刻むHi-STANDARD。
彼らの次なるステージから、目が離せません。
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